梅雨の間に
随想
ほんとに偶にだが、幼い頃の事を想い出す。それは寒い夜、ふとんに包まって寝ていると、おかあさんがとんとんと二階にやってきて、ふとんのいずまいを直し身体の盛り上がっている両脇のふとんを軽く叩いてくれる事だ。昔の事だから、木綿が入っているかなり重たい掛け布団だったと思うがそのことがいやに懐かしく思い出される。また、偶に耳かきをしてくれる事があって、首をおふくろの座った腿の上に乗せるとおふくろの体温がじん割り感じられてなんとも幸せな気持ちになった。70にもなってというか、70だからというか幼いときの事がふっと思い出されることがある。お袋は16年も前に79歳でなくなっているんだが、やはり俺が死ぬまでは心の中に生きているのかなと思う。


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