無差別殺傷事件に思う
不安 孤独 の時代 六月十二日 (木曜日)
8日の日の日曜日、東京秋葉原の中心街で一人の若者の無差別殺人があった。7人もの人が殺され、十数人もの人が怪我をした。その若者は携帯のサイトに事件直前までの自分の行動を詳細に記録していた。しかも、歩行者天国が始まる時間まで乗車していた二トントラックを待機させていた形跡があり極めて計画的といっていい犯行だ。ダガーナイフという殺傷能力の高いナイフで四人もの人を一刺しで殺した。どうして、こんな恐ろしい事が白昼の東京で起きるのだろうか。
その若者は一見どこにでもいるような普通の若者だ。小柄でめがねをかけ神経質そうにも見える。青森県の実家は両親と弟の四人家族である。青森高校という県では一番の進学校に入って周囲からは期待されていたがその後徐々に成績が下がり性格がねじれていったみたいだ。大学には進学せず岐阜の自動車専門学校を卒業してからは職業を転々と変えた。最後は派遣社員になり静岡県の裾野にある関東自動車で働いていたようである。何時仕事を辞めさせられるのかわからない不安や孤独が彼の頭の中を何時も渦巻いていたのではないかと思う。
この事件の前にも、川崎で派遣社員が一軒隣に住むマンションの女性を夜待ち伏せして襲い自室でその女性の身体を切り刻んで排水溝に捨てたと言う事件があった。その男性も働いている職場では優秀な働き手と評価されていたようだ。
今、日本では若者の派遣社員が百万人以上いると言われている。彼らは派遣会社に登録され、仕事がある期間だけ働く。何の保証も無く、将来の展望も無いまま人生の極めて大事な時間を消費している。会社内での仕事は極めて細分化されたマニュアルに沿って与えられた仕事だけをするという人間的感情等全く入りこむ余地の無い仕事だ。彼らは大都会の中で根無し草のようにその日その日を送っているのだ。
両親や周囲の人間が手を差し伸べられる環境にあればいいのだが今の日本の社会は残念ながらそれが無い。日本の社会の隅々まで社会構造が根底から崩れ去ろうとしているのだ。
言ってみれば、若者だけでなく、全ての日本人が不安を抱えて生きていると言っていいと思う。
一見、華やかに見える消費社会の中で言い知れぬ不安や孤独にさいなまされながら日々の生活をおくっている人がなんと多いことか。
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